明けましておめでとうございます。
白山はりきゅう整骨院デンです。
皆様お正月はゆっくりできましたか。
当院は1/2から営業しておりました。
おかげ様で1/2からお客様もお越しになりました。ありがたいですね。
ではここで新年初のブログです。
今年もコツコツと投稿をしていきます。
どうぞよろしくお願いします。
さて、年も明け本格的な乾燥シーズンに入ってきました。
今回は乾燥肌の方に特に読んで頂きたいと思います。
正しい知識で2016年も美肌を目指して下さいませ。
身体の水分量は
動物、植物の区別なく、命あるもの全てを支えているものは水であると言っても過言ではありません。
人間の場合には成人で体重の60%から75%の生体水分量を維持しています。
20歳前後では約75%ですが、加齢による経時的変化で、その後徐々に減少していき、70歳近くになると60%程度となります。
出後間もない赤ちゃんの場合は約80%にもなります。つまり生体水分量の大きな推移としては年をとるとともにしだいに減少していくと捉えることができます。
体全体の水分量の変化に伴って、皮膚の水分量も変化するこのことは、肌のうるおい、あるいはみずみずしい肌を保つことと大きな関わりを持ちます。
角質層の水分量は
うるおいのある肌みずみずしい肌など、一般的には言われますが、単に感覚的な面でなく皮膚科学的側面から見てみると、そこには複雑なメカニズムが働いてることがわかります。
肌の滑らかさには皮膚の水分量が大きく関わっています。
健康で正常な肌の状態を保っている場合、水分量が角質層で15%から20%、角質層より内側の表皮や真皮層では60%から70%となります。
角質層とより内部の皮膚でこれだけの差が出るのは角質層が水分の通過に対して強力な壁となるバリアゾーンがあるためです。
このことはお風呂に入ると実感できます。決してお風呂の水が体内に侵入して水ぶくれになることはありませんよね?
これは角質層が水分通過を防ぐ働きをするためです。
一方、湯上がりの肌がしっとりとみずみずしいのは角質層に外から水分が容易に浸透するからでです。
外からの水分の侵入を防ぐとともに、皮膚内部から水分が失われるのを防いでいます。
つまり、角質層の水分量と皮膚内部の水分量とは一線が画されています。
角質層は、それだけ外的環境からの影響を受けやすいです。
従って、角質層の水分量と気温、湿度との関係は密接です。
こと湿度との関連性はとても深く、湿度が高ければ、角質層の水分量は増し、空気が乾燥していれば、角質層の水分量は減少する冬の乾燥した風にさらされたり、冷暖房の効いた室内に長くいたりすると肌がかさついたようになるのはこのためです。
角質層の水分量が10%以下になると肌はカサカサになって潤いがなく柔軟性が失われてしまいます。
生理的に言えば、いわゆる「肌荒れ」です。
しかし、皮膚はその水分量が減少することに対する防御反応を持っています。
それは角質層そのものに潤いを保とうとする働きがあるためです。
水分量のバランスが多少崩れても、皮膚には正常な状態を維持しようとするメカニズムがあります。
角質層の水分保持メカニズムとは
角質層にはもともと水分を保持する働きがあります。
角質層がその水分量を一定に保っていられるのは皮脂膜(表皮皮脂膜)、NMF(天然保湿因子)、細胞間脂質の働きによるものです。
互いに連携しながらも、それぞれの作用は異なります。
1: 皮脂膜が皮膚表面を覆い、水分の蒸発を防いでいます。
皮脂腺から分泌された皮脂と、表皮ケラチノサイトから作られた表皮性脂質と、汗腺から分泌された汗などが混じり合い、皮膚表面に皮脂膜(皮表脂質膜)が形成されます。
水分と脂質とは水と油などとも言われてるように、本来は非常に混じり合いにくいものとなっています。この両者を取り持つ乳化剤を加えると一様にに交じり合った「乳化した状態」になります。
ちなみに「乳化」とは水と油など、互いに混じり合わない2つの成分を微細に分散して均等な一つのものとすることをいいます。
乳化してできたものを、エマルション(乳化物)、乳化を助け安定させる物質を乳化剤といいます。
脂質や汗など、即座に皮脂膜を形成できるのは支出に含まれる、ラノリンコレステロール、リン脂質などが天然の乳化剤としての役割を果たしているからです。
こうしてできた皮脂膜は厚さが0.5ミクロンというごく薄い膜です。
皮脂膜はシール状となって皮膚表面を覆い角質層の水分損失を防いでいます。
肉眼ではとらえることのできない皮脂膜ですが、皮膚を保護する効用はとても大きいです。
石鹸などで洗顔すると皮脂膜は綺麗に洗い流されてしまいます。
外界からの刺激が直接的に角質層に加えられるので、ツッパリ感という感触がそこに生じます。
その後、皮脂膜が完全に形成されるまで数時間かかります。ここにクリームや乳液による油分補給の意味があります。
2: NMF(天然保湿因子)が水分を捉えて離さない
NMF(天然保湿因子)の大部分は角質細胞内にあります。
吸湿性が極めて高く、しかも一度捉えた水分をなかなか離さないという性質を持っています。NMFは単一の物質から成り立っているわけでなく、遊離アミノ酸やアミノ酸代謝物などの低分子量物質を含んでいます。
ちなみに、遊離アミノ酸の遊離とは「自由」の意味で、結合する相手がなく自由に存在してることを指します。
遊離アミノ酸の割合が最も高く、約40%、ピロルドカルボン酸、尿酸などのアミノ酸代謝物まで含めるとアミノ酸は約60%にもなります。
角質層の水分保持の要となっている、NMFは、アミノ酸が中心となっていることがわかります。
これらのアミノ酸は角質層の下にある顆粒層で形成されるケラトニアリンに由来しています。
NMFの吸湿作用の中心は、アミノ酸代謝物であるピロリドンカルボン酸と乳酸塩です。
NMFは、吸湿性が優れている水溶性の成分だが水に溶けて流出してしまうことはありません。
それはNMFは角質細胞の周囲に存在している脂質に取り込まれて守られているからです。
もしこの角質細胞間脂質が洗剤などによる過度の脱脂によって破壊されてしまうとNMFは急速に減少してしまいます。
皮膚の保湿機能が衰え、みずみずしさは失われることになります。
3: 細胞間脂質がサンドイッチ状に水分を挟み込む
角質細胞と角質細胞の間には角質細胞間脂質が存在します。
角質細胞同士の隙間を埋め、互いにしっかり結び付ける役割をします。
そうすることにより、肌の表面はきれいに整えられています。
さらに、水分保持の役割も果たしています。
何層かの薄い細胞間脂質の間にちょうどサンドイッチ状に水分を挟み込んでいるのです。
このようなことが可能になるのは細胞間脂質が脂質二重層となっているためです。
油脂分となじみやすい親油部と、水分となじみやすい親水部とからなり、親油部同士は内側で背中合わせとなり外側には常に親水部が出ています。
このように外向きになっている親水部と親水部の間隙に水分を保持しているのです。
脂質二重層の形成には、細胞間脂質の主成分であるセラミドが大きな役割を果たしています。
セラミドはスフィンゴシン塩基をその化学構造内に持ち総称してスフィンゴ脂質と呼ばれます。
ところが、タンパク質分解酵素などの働きが乱れて細胞間脂質の働きが衰えると角質細胞は浮き上がって剥がれ、水分が逃げ出して肌荒れの状態になります。
このような寄付にはセラミド配合のクリームが効果的です。
セラミドは哺乳動物の脳や酵母から抽出されますが、精製技術が進み、純度の高い無臭に近いものが天然系素材のエモリエント剤として使用されています。
角質細胞内においてはNMFが水分をつなぎ止め角質細胞と角質細胞の間では細胞間脂質が水分を挟み込みます。
さらに、これらの水分を皮膚表面から逃がさないように皮脂膜が薄いシールとなって覆います。
これが水分保持のメカニズムです。
少し専門的になりましたが、乾燥肌の方に役立って頂ければ幸いです。
では次回も今回の続きを書いていきます。
白山はりきゅう整骨院デンでした。
良い1日を♪