皆様こんにちは。
白山はりきゅう整骨院デンです。
今回は日焼け後に起こる色素沈着とニキビについて超詳細に解説していきます。
長文になりますので、ご自身が気になるところをお読み下さい。
サンタン/サンバーンとは
日焼けは紫外線を浴びることによって起こる皮膚の色素沈着ですが、日焼け現象は2種類あります。
色素沈着を起こして、皮膚の色が浅黒く変化するサンタンと炎症を起こして、皮膚の色が赤くなりヒリヒリした状態になるサンバーンです。
ひと言で日焼けということが多いですが、サンタンとサンバーンでは、
それを引き起こす紫外線の種類や症状は異なります。
では、ここでサンタンとサンバーンの違いについて記載していきます。
①サンタン
サンタンを引き起こすのはUVAです。
UVAが表皮基底層に散在しているメラノサイトに働きかけ、メラニン色素の生成を促すわけですが、皮膚の色が浅黒く変化するのに、時間的なズレが生じます。
つまり、メラニン色素を多く含んだ表皮細胞が基底層から有棘層を経て角質層に達するまでの時間差です。
紫外線を多く浴びるような、海水浴や戸外でのスポーツといった機会があって2-3日してから皮膚の色が小麦色になっていくのはこのためです。
メラニン色素を多く含む表皮細胞が有棘層に達した頃から、皮膚はいわゆる小麦色に見えてきます。
UVAの作用は、はれや痛み、発赤を伴うことはありませんが、表皮から真皮の深い部分まで届き、シワやタルミの原因となります。
②サンバーン
これに対し、発熱、はれや痛み、発赤、又はひどい場合には、
腫れあがって水泡を生じさせるのがUVBです。このような日焼け症状ををサンバーンと呼びます。
医学的には日光皮膚炎と呼びます。
サンバーンの発症は、サンタンに比べ即時的です。
大量に紫外線を浴びると1時間もしないうちに皮膚は赤みを帯びます。
これはサンバーンの始まりです。
UVBが表皮を透過し、真皮乳頭体まで達した結果、乳頭体内の毛細血管が充血を起こします。
もちろんメラニン色素の生成も活発化して防御反応を起こしますが、それだけではカバーしきれないほどの紫外線量でありますと、
充血症状は進み、細胞組織が損傷を受けて、発熱やヒリヒリした痛みを覚えるようになります。
この時期を過ぎ、2-3日経過するとメラニン色素の生成も通常になり、太陽光線に対する抵抗力も増してきますので、はれや痛みは治まり、やがて皮がむけて、色素沈着を残して治癒します。
急性と慢性の皮膚障害とは
美容上の観点からみると、紫外線は様々な皮膚トラブルの原因になります。
紫外線を大量に浴びると、皮膚に紅斑が生じ炎症症状(サンバーン)を起こし、次にメラニンの形成が促進され、黒化反応(サンタン)を起こします。
そして表皮が乾燥して起こる皮膚表面の落屑(らくせつ←角質が剥がれる現象)も紫外線によって生じる美容上のトラブルです。これらは紫外線による急性の皮膚障害です。
また、紫外線を多く浴びる頻度に比例して、皮膚の老化(真皮内のコラーゲン、エラスチン、ムコ多糖類への影響)が徐々に進み、シワの形成を促進したり、シミなどの色素沈着も増加します。
これらは紫外線による慢性の皮膚障害です。
また、より進んだ場合には、日光角化症、皮膚ガンなども起こってきます。
紫外線量と日照時間の関係
直射日光を浴びなければ、紫外線の影響を受けないで済むかというと、そういうわけではございません。
曇りの日の50-60%、雨の日でも30%前後の紫外線を浴びています。
このように曇りや雨の日でも意外にたくさんの紫外線を浴びているので油断はできません。
日本では、太陽に一番近い夏至のある6月が、季節的には紫外線量のピークですが、6月はちょうど梅雨にあたるため、晴天の日が少ないので5月よりも紫外線量が少ないです。
年間の紫外線の量の推移を見てみると、春と秋も紫外線に肌はさらされています。
4月から5月にかけてと、9月から10月にかけての時期は、真夏の量とほとんど変わらない状態です。
また3月はその量がどんどん増え始めるために、肌は急に紫外線を浴びてしまうため、春先は肌トラブルが多くなります。
紫外線が多い季節というと、太陽が照りつける真夏のイメージをお持ちのかたが多いですが、紫外線の量は日照時間、太陽の高度、および空気の清澄度(せいちょうど)とが関わってきます。
雨の日や曇りの日の紫外線量が少なくなるのは、雲によって遮られて、又は散乱させられたりするので、同様の効果はガラス窓にもあります。
ふつうの板ガラスを透過すると、315nm以下の短い波長の紫外線はそこで吸収されてしまいます。
同様のことは布地などにも言えます。
つまり、窓のカーテンを引く、外出時はパラソルをさす、帽子をかぶる等で、ある程度は紫外線を避けることができます。
生活紫外線とは何か
日常生活の中で紫外線を浴びる量は、日々蓄積されますので、美容上大きな影響を与えます。
いわゆる環境紫外線または、生活紫外線といわれ、最近、生活紫外線による皮膚の老化促進ということが注目されています。
比較的弱い紫外線を毎日浴びることによる慢性の日焼けは、なかなか気づきません
日常生活で浴びる紫外線量は、洗濯物干し、外で子供を遊ばせる時、買い物などでも皮膚に変化を生じさせる量になり、さらに毎日の繰り返しは、慢性的な変化を誘導する量を超えるものいわれます。
また、UVAは波長が長いため、窓ガラスを80%通過するといわれ、車や電車の中、家の中にも入ってくるので注意が必要です。
レジャーやスポーツはもちろん、生活する場面においても素肌を無防備に露出しないで、UVケア製品を使って防御することがとても大切です。
色素沈着が起こる仕組み
皮膚に有害な紫外線が、皮膚細胞の奥深くまでに達しないように働いているのが防御反応の1つがメラニン色素です。
メラニン色素は紫外線を吸収する作用があります。メラノサイトは紫外線を感知すると、メラニン色素を大量に生成します。
メラノサイトには蓄積する機能がないため、樹状突起を通じて周囲の表皮細胞内に次々とメラニン色素を送りこみます。
そしてメラニン色素を含んだ表皮細胞が透過してきた紫外線を吸収してしまうのです。
メラニン色素による、紫外線に対するバリアゾーンとも言えます。
紫外線を浴びることをやめるとやがてメラニン色素の生成は減少する。元の通常の状態に戻るのです。
日焼け後の肌ケアについて
まずは肌を休めることが治療の第一です。
その後、カラミンやアラントインなどを配合した消炎作用のあるローションを、ゆっくりたたくように塗ると良いです。
そして、ほてりが鎮まったら、保湿用の化粧水や乳液で肌にうるおいを与えます。
日焼け後は肌は極度の乾燥状態となっているので、水分補給を忘れないように心がけて下さい。
肌の赤みが和らぐまでは化粧水と乳液のみで手入れをすべきです。
なお、日焼けが特にひどい場合は、ヒドロコルチゾンのようなステロイド軟膏が有効です。
日焼け後1週間目ごろには皮が浮いてくるので、むりにはむかないようにします。
自然に皮がむけたら美白化粧品などを使用して、通常の手入れに移行します。
日焼け後のケアを怠ると、メラニン色素がそのまま表皮に残ってしまい、シミとなる可能性もあるので気を付けて下さい。
紫外線対策に有効な食品
化粧品の効果的な使用により、紫外線対策はある程度可能ですが、さらに食事面における対策を加えると相乗効果が得られます。
その代表は、ニンジン、トマト、かぼちゃ、ほうれん草、小松菜など、緑黄色野菜に多く含まれるベータカロチンです。
ベータカロチンは色素の一種で、体内で必要に応じてビタミンAに変わります。
抗酸化作用のあるビタミンとして、ベータカロチン、ビタミンC、ビタミンEが知られていますが、中でもベータカロチンは、酸化を促進する活性酸素の活動を抑制する働きが強いといわれています。
海や山に出かける2~3日前から、ニンジン、トマトのジュースやかぼちゃのスープを多く摂取しておくと、皮膚が赤くなりヒリヒリするようになるまでの時間を長引かせることができます。
つまり、からだの中から紫外線防御効果が期待できるのです。
ベータカロチンは熱をくわえても変性することはありません。
煮る、茹でるといった調理をし、かさを減らして食べやすい状態にして多く摂取することが望ましいですね。
ベータカロチンは、がん対策にも効果があるといわれています。
がんは細胞の老化、変性が大きな原因ですので、それを助長する活性酸素の働きを抑えることが効果的なんです。
実際にがん治療の現場においても、ベータカロチンの大量投与という方法も行われています。
また、日光過敏症などの治療にも応用されています。
ニキビができるメカニズム
青春のシンボルとも言われ、ニキビができることは生理的な現象であり、ある程度は仕方がないものと認識されがちですが、ニキビは皮脂分泌の異常であり、皮膚疾患の一つでもあります。
その学術的な名称を尋常性挫創(じんじょうせいざそう)と言います。
ちなみに挫創とは、毛を包んでいる毛包と呼ばれる細い長い管に生ずるいろいろな炎症を伴った症状の総称です。
尋常性という意味は、いろいろな挫創のうちで最も一般的な標準型という意味です。
一般的に顔や首、胸、背中にできますが、肌質としては脂性の皮膚にできやすいです。
青春のシンボルとも言われる通り、いろいろなホルモンの分泌が一挙に花開く思春期においてみられることが多いです。
思春期になって男性ホルモンの分泌が盛んになり、皮脂の分泌亢進と毛包上皮の角化亢進が原因です。
皮脂は毛穴を通って皮膚の表面に分泌されますが、毛穴がふさがってしまいます。
すると外に出られなくなった皮脂が毛包の中に過剰にたまって毛包が拡大して袋状になります。
もともと毛包の奥には細菌が住んでいるが、その細菌が皮脂を栄養源として繁殖し、炎症を起こします。
ニキビには初期の毛穴が詰まった状態から、炎症を起こした状態、炎症が進んで化膿した状態まで、いろいろな症状があります。
第1段階 面皰形成
ニキビのごく始まりの時で、毛穴が狭められ、皮脂が毛包内にたまった状態のものを面皰という。コメドともよばれています。
面皰は、初期では表面上は正常の皮膚色でやや白く見える硬い小丘疹です。
指先などで押すと、白っぽい粘調性のある内容物が出てきます。
その大半は貯留されてしまった皮脂です。
すでに酸化し、変質してしまっているので異臭を伴うこともあります。
この様に正常の皮膚色で白っぽくポツンとできて毛穴が閉じている面皰を、閉鎖面皰といい俗に白ニキビなどともよんでいます。
この時期はまだ炎症を起こしておらず非炎症性の、面皰形成期といえます。
面皰の内容物はまだ外気に触れておらず、また発赤を伴うこともありません。
同様の時期でもう少し後になると貯留している皮脂が毛穴を押し拡げて毛穴が開いて、外に出て空気中の汚れなどの付着と皮脂の酸化が見られると、毛穴の部分が黒っぽくなります。
これを開放面皰と言いますが、俗に黒ニキビともよんでいます。
第2段階 炎症性の挫創形成
非炎症性の面皰形成期を経て、皮脂部分による毛包への刺激と細菌による作用により、炎症性の挫創形成期となります。
すなわち、皮膚表面と毛包内には皮膚常在菌が存在していますが、
これらの働きにより毛包周囲が炎症を起こし、丘疹を生じ、やがて膿疱に至るのです。
皮膚常在菌として最も多いのはブドウ球菌の一種である表皮ブドウ球菌で、1㎠当たり数百から数十万個に及びます。
次いで、アクネ桿菌(かんきん)ともよばれる挫創桿菌で数十から数百単位となります。
表皮ブドウ球菌と挫創桿菌はともに脂肪分を好むという性質があります。
皮脂は絶好の対象となるわけです。
またアクネ桿菌は空気を嫌う嫌気性の細菌であるので、毛穴の閉鎖が進めば進むほど毛包内で増殖することになります。
前述の如く毛包内に貯留した皮脂が、これらの細菌によって分解されると遊離脂肪酸に変化します。
この遊離脂肪酸は皮膚細胞に強い刺激を与える起炎物質の一つです。
面皰から挫創へ症状が進むのは細菌が関係しているわけですので、指先でつぶしたり、さわったりすることは禁物です。
炎症症状を起こすと面皰はやがて紅色丘疹となります。
いわゆる赤ニキビです。
この丘疹部分が化膿すると、膿疱ができます。
これが俗にいう黄ニキビです。
この膿疱が皮膚表面におさまっている場合は、適切な治療、清潔保持、規則正しい生活などによって後に瘢痕(あばた)を残さずに治癒します。
炎症が真皮、皮下組織にまで至ると、皮膚の真皮に広い範囲の懐死が起こってきます。
ニキビの重傷となったこのような状態を硬結性挫創といいます。
痛くてかゆいという症状を伴うのが普通で、
このような状態を放置すると後にクレーターのような瘢痕を形成することが多いので、皮膚科の受診で早く適切な治療が必要です。
ニキビのできやすい部位は皮脂腺が多く分布しているところに限られますが、部位別にそれぞれ特徴があります。
また、できやすい部位により、おおよその原因を推しはかることもできます。
例えば髪の生え際やフェイスラインにできている場合は、シャンプーや洗顔料のすすぎ不足で起こることもあるので注意します。
ニキビの好発部位
①前額部
額の中心部に集中するもので、面皰あるいは初期の挫創であるとが多いです。
ホルモンのバランスが崩れる思春期から青年期にかけて見られることがほとんどです。
また、頭髪の刺激や汚れの付着も助長する一因です。
頭髪を清潔に保ち、ヘアスタイルは前髪やサイドが顔にかからないように気をつけます。
②顎部
顎部から頸部にかけて見られるもので頬杖をついたり手で撫でまわしたりすることで悪化しやすいです。大人ニキビの好発部位でもあります。
胃腸の障害、貧血、冷え性などの体質、カルシウム不足も関係するといわれています。
悪化すると瘢痕を残しケロイド状に残る場合もあるから注意が必要です。
③鼻の頭、小鼻
鼻の頭や小鼻は特に脂性が目立つ部位で、あぶらっこいカサブタがついていたり、毛穴が拡がって、中に黒いものが詰まりやすいです。
石けんで汚れをよくとり、部分パックを週2回程度して、清潔に保つことが必要です。
④口の周囲
口の周りや鼻唇溝にかけてできるもので、デリケートな部位なので、不潔な手で触ったりしないように気をつけます。
食生活や睡眠にも十分気をつけて下さい。
⑤頬部
両頬にできるもので、表皮も薄く、皮膚組織も丈夫ではない部位なので、ニキビ跡を残さないために、しぼりだすようなことは避けるべきです。
⑥頸部・前胸部
一般にニキビは顔面に多くできますが、
それ以外にも首や胸部、あるいは背中の上部にも見られます。
いずれも体の真ん中を通る正中線に沿った皮脂腺が多く分布しているところである。
この部分のニキビは紫外線の刺激や香水・オーデコロンに含まれる香料やアルコール刺激などで炎症を起こし悪化するケースもあります。
①~⑥までが、通常ニキビでできる部位で、それ以外の部位に見られた場合には皮膚疾患や、内分泌系の異常、内服剤による薬疹なども考えられるので、外用薬の塗布などは避け、専門医の受診が必要となります。
ことに女性の場合には、卵巣・子宮などの疾患が原因でホルモンバランスが崩れ、その最初の徴候というケースもあるから十分に注意しておきたいですね。
ニキビができる内的原因
ニキビと遺伝的素因の関係はニキビができやすいということには遺伝的素因も関係します。
ニキビは脂性肌に多く発現する傾向があります。
皮脂性機能が活発であれば、それだけ皮脂分泌が多くなり肌質は脂性へと傾きます。
また、自律神経系の、交感神経支配と副交感神経支配のバランスが緊張を生じやすかったり、内分泌系の男性ホルモンの分泌が旺盛であるといった体質に基づく内的素因も脂性肌と深い関わりがあります。
男性ホルモンとは
男性の第二次性徴に深くかかわるホルモンで、いわゆる男らしい体つきを形成します。
思春期になると、大脳中枢の視床下部より下垂体に対して、性腺刺激の指令信号が発せられる。下垂体はその指令を受け、性腺刺激ホルモンを分泌します。
性腺刺激ホルモンの分泌により、それまでほとんど活動していなかった性腺が活発化し始めます。
精巣は男性ホルモンを血液中に分泌し、全身に送り込みます。
このことにより、さまざまな男性的変化が生じるようになります。
男性ホルモンは一般的に細胞を活性化する作用を持つ。皮脂腺の発育を促進し、皮脂分泌を促します。
他にも、角化現象の促進や、コラーゲンを太く丈夫にするという働きもあります。
毛髪に対しては、体毛の発育は祖寄進されるが、頭髪には抑制的に働きます。
女性ホルモンとは
女らしい、曲線的な体つきを形成するホルモンで、母性としての基礎にも役立っています。
思春期になると卵巣は、卵胞ホルモン黄体ホルモンの二つの女性ホルモンを分泌するようになります。
卵胞ホルモンは卵胞の働きを促し、乳房の発育に大きく関わります。
また、皮下脂肪を厚くし、曲線的な体つきをつくりだします。
一方の黄体ホルモンは、卵巣そのものの発育に関わり、すなわち妊娠能力を形成します。
黄体ホルモンの分泌は月経周期によって大きく変化します。
女性ホルモンは性機能ばかりにでなく、皮膚の老化にも大きな影響を与えます。
また、男性ホルモンの働きを抑制する作用もあるので、過剰となった皮脂分泌を制限したり、角化現象亢進を調節するという働きも有しています。
皮脂腺の形成・分布・総量・機能といったことや、自律神経系・内分泌系の働きについては遺伝する可能性が推定されます。
具体的にどの染色体のどの遺伝子が影響しているのかまでは明確になっていないです。
しかし、親子あるいは兄弟姉妹においては非常に似たタイプのニキビができることとか、一卵性双生児においては全く同じ症例がしばしば見られることなどから、遺伝的素因が関わっていることが考えられています。
ニキビとホルモンの関係
肌質とともに、ニキビの発現に大きな影響を及ぼしているのがホルモンです。
男性ホルモン、女性ホルモン、黄体ホルモンなどの性ホルモンや副賢皮質ホルモン、脳下垂体ホルモンなどさまざまなホルモンが関わっています。
いずれのホルモンも皮脂分泌に関係がありますが、最も重要なのは男性ホルモンです。
それぞれのホルモンについて見てみることにします。
①男性ホルモン詳細
健康な成人の場合には、男性ホルモンと女性ホルモンとのバランスが保たれているのがふつうです。
なんらかの機能的な問題が生じ男性ホルモンの分泌が亢進するとニキビができやすくなります。
男性ホルモンは皮脂腺の機能を活発化させます。
一般的に女性より男性が脂性肌になりがちなのは、この男性ホルモンの働きによるものです。
思春期における急激な皮脂分泌機能亢進は、男性ホルモンが多量に分泌されるようになった結果です。
男性ホルモンは男性の場合は精巣と副賢皮質から、女性の場合は卵巣と副賢皮質から分泌されます。
そして分泌機能の亢進は、ニキビの発現頻度を高めるばかりでなく、その症状の進展にも関わってきます。
面皰から紅色丘疹や膿疱へと進みやすくなります。
発現頻度においてはさほど男女差が見られませんが、紅色丘疹あるいは膿疱へと悪化する率は男性の方が一般的に高く、また治癒しづらいです。
この男性ホルモンの分泌は小児期や老年期には低下するので、皮脂量の加齢的な動きとぴったり一致します。
②女性ホルモン詳細(卵胞ホルモン)
女性ホルモンの一つである卵胞ホルモンは、男性ホルモンとは反対に皮脂分泌を抑制する働きをします。
女性は卵巣から、男性も少量だが精巣から分泌されます。
女性の場合、思春期から青年期にかけて肉体の発達に伴い、副賢の機能が活発となり、アンドロゲン(男性ホルモン)の分泌が高まってきます。
卵巣の機能的な成熟がこれに伴わないと卵胞ホルモンが不足となり、皮脂分泌機能が異常に亢進される結果となります。
また、男性ホルモンには毛包の角質層を肥厚させる作用もあるのでニキビができやすい状態になります。
ダイエットや不規則な生活、ストレスなどで卵胞ホルモンの分泌が減ると、体内の男性ホルモンが相対的に多くなります。
つまり、男性ホルモンは皮脂量を増やすので、ニキビができやすい状態になります。
実際、ニキビに悩む人は、男性ホルモンが相対的に多い傾向があります。
③黄体ホルモン詳細
卵巣の黄体より分泌されるホルモンで妊娠、月経周期と密接な関係があります。
非妊娠時においては子宮内膜を受精卵が着床しやすいような状態とし、妊娠時においては子宮の発育をつかさどり、胎児が発育しやすい環境を作る働きがあります。
月経周期から見ると、排卵と同時に黄体ホルモンの分泌は高まります。
そして妊娠不可能な子宮内膜分泌期の期間中ずっと分泌が高まったままで、月経開始とともに低下します。
つまり、排卵があってから月経がはじまるところまでは黄体ホルモンの分泌が高まるので、ニキビができやすい状態になるわけです。
④副腎皮質ホルモン詳細
副腎は腎臓の上端に付随するような形でついている器官で、間脳下垂体系の支配を受ける内分泌器官の一つです。
副腎皮質刺激ホルモンの直接的な作用により、皮質からは副腎性男子ホルモンのアンドロゲンをはじめ、コルチゾールなどの各種のステロイドが分泌されます。
ステロイドは本来は科学構造の種類の名称でありますが、副腎皮質ホルモンの俗称となっています。
副腎皮質ホルモンにはストレスに対する防衛作用炎症やアレルギーに対する抑制作用などがあり、多くの合成品が作られています。
副腎皮質ホルモンの分類
糖質ホルモン
糖質ホルモンは外的刺激であるストレスを調節する作用があります。
肝臓に働きかけ、グリコーゲンをたくわえさせたりして血液中の糖分量のバランスをとります。こうすることによって、身体全体の抵抗力を高め、ほかのホルモンとの協力によりストレスに対抗するのです。
鉱質ホルモン
鉱質ホルモンは血液中の塩分を調節する作用があります。
たくさん汗をかくと、多くの塩分が失われます。
体の塩分量を保つためにこのホルモンが分泌されて、腎臓に働きかけ、尿中に出る塩分を制限します。
性ホルモン
性ホルモンは男性の精巣、女性の卵巣といった性腺そのものを発達させる作用があります。
男性らしさ、女性らしさに関わってきます。
皮脂分泌にも大きな影響を与えます。
⑤脳下垂体ホルモン
視床下部にある内分泌器官で、形態的に前葉、中葉、後葉とに分かれています。
成長ホルモンをはじめ、実にさまざまなホルモンを分泌している内分泌の中枢的な器官であります。
中でも性腺刺激ホルモンと副腎皮質刺激ホルモンはそれぞれが増加することにより二次的に増加するという性質があり、相互にホルモンの分泌を促進します。
その結果として男性ホルモンの分泌が高まり、皮脂量の増加へと結びつくことになります。
これらのホルモンのうち、①~③は性機能に関与する性ホルモンです。
皮脂の分泌・抑制に直接的に関わるのは、これら性ホルモンと④の副腎皮質ホルモンであります。
⑤の脳下垂体ホルモンの活動に関していえば、副腎皮質や性腺などへそれぞれの刺激ホルモンを分泌することにより皮脂腺機能の活発化を招きます。
ニキビとストレスの関係
現代社会で生きていくうえで避けることのできないストレスもニキビと関わってきます。
つまり、ストレスがたまることによって起こる様々なことがニキビの遠因となり、
また依存のニキビを悪化させる一因ともなるのです。
過度の緊張、疲労、不眠などが続くと自律神経系が変調をきたします。
緊張をつかさどる交感神経とリラックス状態をつかさどる副交感神経のバランスが崩れるのです。
こういった状態になると脳下垂体から副腎皮質刺激ホルモンが多量に分泌され、副腎皮質から男性ホルモン(アンドロゲン)の分泌が高まります。
結果として皮脂の分泌が盛んになり、ニキビができやすい状態となるのです。
学生の中には受験などの際に、また社会人となってからでも人間関係や仕事への緊張感といったことが原因でニキビが悪化することも多いです。
精神的ストレスが二次的要因となっている場合もあります。
不眠からくる睡眠不足、食欲不振が原因の栄養素の欠乏などがあります。
こういったことが遠因となり、ニキビを誘発したり助長するという場合も非常に多いです。
ストレスがニキビの複合的要因といわれるゆえんです。
ニキビと消化器官の関係
ホルモン異常などの内分泌系の乱れが皮脂腺の活発化をまねき、ニキビの一因となりますが、消化器系の障害も見逃すことができないですね。
それは皮膚組織の栄養補給、新陳代謝に深く関わっているからです。
おもに関係するのは胃腸および肝臓です。
栄養摂取・貯蔵と老廃物の体外排出に関わってくるからです。
これらの臓器が変調をきたすと、皮膚組織ばかりでなく、身体組織全体に栄養低下をまねきます。
ひいては内分泌系にも異常が及び、ニキビの直接的・間接的な原因ともなり得ます。
①胃腸障害
胃腸の働きが悪くなると、まず消化不良をきたします。
そしてメカニズムの狂いが全体に及び、下痢あるいは便秘をまねくことにもなります。
時には便秘と下痢を交互に繰り返し、一向に正常なサイクルに戻らないこともあります。
いずれの場合も短時日に出てきます。
まず消化機能が減退し、消化不良を起こすと摂取した食物から十分な栄養を吸収できずに栄養のバランスが乱れます。
内蔵の鏡ともいわれる皮膚はすぐに貧栄養状態となります。
中でもビタミンの欠乏は即時的に起こり、皮膚は張りやうるおいをなくしてしまいます。
皮膚表面を弱酸性に保つ力も低下し、皮膚常在菌に対する抗菌力も低下してニキビができやすい状態になってしまうのです。
特に便秘の場合は腸内に消化された食物が長く滞留することによって、起こる弊害が問題となる。
分解物が異常に発行し、有毒物質を産生してしまいます。
便秘により有毒物質が排泄されることなく吸収され、血液を通して末端の皮膚組織にまで運搬され、その結果としてニキビの増悪が生ずることになります。
便通をよくするには規則正しい生活と適度な運動、そして牛乳、くだもの、野菜などの食品を多く摂ることがとても大切です。
②肝臓障害
肝臓の働きを大きく二つに分けると、栄養分の貯蔵機能と、体内に産生された有毒物質を体外へ排出する解毒機能があります。
貯蔵機能ということでは、余ったエネルギーが血糖という形で存在しているものを、グリコーゲンに変えて蓄えます。
有毒物質の排泄機能ということでは、生命維持活動で生まれた窒素化合物を尿素や尿酸に変えるという働きがあります。
これらの肝機能が正常に働いていると皮膚症状にはなんら影響がないが、なにかの理由で障害をきたすと、皮膚組織に栄養分がいき渡らなくなり、老廃物などが運び去られにくくなります。
その結果としてニキビ悪化してしまうことがあります。
ひどいニキビ症状が実は肝機能障害の徴候であったという症例もあります。
肝臓の働きが悪いと肝臓のビタミン貯蔵能力が悪くなってしまい、ビタミン不足をまねき、結果として皮膚機能低下の一因ともなります。
また、肝臓が悪くなると皮膚が太陽光線に敏感になってしまいます。
そのため直射日光を受けると顔の皮膚が荒れたり、赤くなってほてったりすることになります。
肝臓は沈黙の臓器などとも言われ、なかなか障害が目立った症状として出てきません。
これに対して皮膚は内蔵の鏡ともいわれ、肝臓機能の低下は、自覚症状よりも皮膚症状として出ることが多いです。
ニキビもその一つであることを忘れてはなりません。