
井穴刺絡との出会いが治療を変えた—自律神経のバランスを整える統合鍼灸の原点
「どんなに丁寧に施術しても、思うように改善が見られない」。そんな経験を通じて、私は“体質”や“自律神経のバランス”という目に見えない領域に興味を持つようになりました。ある一人の患者さんとの出会いが、私の臨床スタイルを大きく変えるきっかけになったのです。
きっかけは一人の女性患者さん
8年前、埼玉県岩槻から通ってくださっていた30代の女性患者さんがいました。主訴は「ニキビ」と「生理痛」。週1回の施術を15回以上行っても、思うような結果が出ず、私自身も歯がゆい思いをしていました。
そんな時に偶然、福岡・天神近くの治療院が発信していた「井穴刺絡(せいけつしらく)」の動画を目にしました。正直なところ、初めて見た時は“これは少し怖いかもしれない”という印象でした。しかし、「この患者さんを何とかしたい」という気持ちが勝り、試してみることにしたのです。
薬指の先端からの刺絡がもたらした変化
初めての刺絡は、薬指の先端(井穴)から30〜50滴ほどの血を出すというもの。施術後1週間で、驚くような変化が現れました。顔の新しいニキビが出なくなり、生理痛まで軽くなっていたのです。
この時、「体には回復のスイッチがある」と実感しました。症状を“押さえ込む”のではなく、身体が本来持つ調整力を呼び覚ます。この体験が、私の治療観を大きく変える出来事になりました。
自律神経のバランスを整えるという発想
人間の体は、交感神経と副交感神経のバランスで成り立っています。血圧や睡眠、消化や免疫といったさまざまな機能が、この2つの神経の調整によって保たれています。
この女性のケースでは、副交感神経が過敏に働いていたことで、体の代謝が下がり、炎症が治まりにくい体質になっていたと考えられます。井穴刺絡によってそのバランスが整い、結果的にホルモンや血流の流れもスムーズになったのだと思います。
この経験から、私は「目に見える症状」だけでなく、「体の働きを整える治療」こそが本当の意味での根本改善につながると確信しました。
鍼と電気と井穴刺絡—統合鍼灸の始まり
この出来事をきっかけに、私は鍼灸・電気療法・井穴刺絡を統合した治療を追求するようになりました。たとえば、筋肉の緊張や炎症が強い方にはハイボルテージや超音波を、炎症やニキビなど体質的なトラブルには微弱電流(アキュスコープ)を組み合わせる。そこに井穴刺絡を加えることで、より深い神経レベルでの調整が可能になりました。
“鍼”“電気”“刺絡”の三つの掛け合わせは、まさに現代の「統合鍼灸」と言えます。症状だけでなく、自律神経・ホルモン・内臓・血流といった全身のバランスを整える。今の私の治療スタイルは、まさにこの経験から生まれたのです。
身体は必ず治ろうとしている
井穴刺絡を通して気づいたのは、「身体は必ず治ろうとしている」という真理です。人間の体には、本来備わっている“自己治癒力”があり、それを妨げている要因を取り除くことで自然と回復へ向かいます。
井穴刺絡は、そのスイッチを押すような治療法。局所ではなく、全身のバランスを整えることで根本的な回復を導きます。痛みや炎症、肌トラブル、自律神経の不調など、原因が複雑に絡み合う症状に対しても、効果的にアプローチできるのです。
あの時の患者さんが見せてくれた笑顔と、「肌が変わって、生理痛も楽になりました」という一言。それが、今も私の臨床の原動力です。

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白山はりきゅう整骨院
東京都文京区白山5-22-7
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治療費:
初回 ¥6,700 / 2回目以降 ¥8,000
(所要時間 約60分)
特許番号:第6895603号(微弱電流による人体の機能改善を施すための治療・施術システム)