ニキビ

ニキビや色素沈着について徹底的に解説します。

プツプツと赤く出る大人ニキビとニキビ後の色素沈着。
大人ニキビで悩む皆さんはインターネットや本、
テレビなどでニキビの改善方法を日々探しているのではないでしょうか。

私も職業柄色んな医学書(主にヒフ生理学など)を読み漁って毎日知識をアップデートしております。
しかし、正しい情報を探すのも一苦労であり、インターネットが発達し過ぎて情報が玉石混交しているのが現状ではないでしょうか?

今回は私が知り得た「皮膚生理学」に基づいた正しい知識を皆さんにお伝えできたらと思いブログを書きます。

ちなみに当院は顔に針を打つ「美容鍼」でたくさんの方のニキビをキレイにしております。

様々なスキントラブルをお持ちの患者様を診てきましたが、個人的に思ったのは、正しい知識を持ってスキンケアをしている方が圧倒的に少ないです。

逆を言えば、正しい知識さえ持っていれば、高価な化粧品なんか使用しなくてもキレイな肌が保てます。
ここでは、少し専門的な用語が出てきますが、基本的な肌の構造、働きなどを詳しく説明していきます。

どうぞご自分の読みたい所だけお読み頂き、明日からのスキンケアに役立てて下さいませ。
 

色素沈着とは

メラニンができるメカニズム

皮膚の色を決定する要素は人間の皮膚の色・人種によって大きく異なりますが、
同一人種においても個人差もあります。
さらに個人においても身体の部位による差もあります

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皮膚の色を決定するには主に以下の3つの要素が挙げられます。

①皮膚中の色素の量
②皮膚の血液量
③皮膚に運ばれてくる物質の影響
 

①皮膚中の色素の量は俗にいう「肌が白い/黒い」を決定する要素となるもので、そのカギを握っているのは「メラニン色素」であります。
メラニン色素の量が多いほど皮膚は黒くなります。

②の皮膚の血液量は顔色が良い、悪いの判断基準となるもので、皮膚中における毛細血管の血液量が左右します。
循環器/消化器疾患などで顔色がさえなくなることもあります。
皮膚は「健康状態を映す鏡」と言われるのはこのためです。
(↑ここ大事です。明日テストにでます。)

③の皮膚に運ばれてくる物質でよく知られているものにカロチンがあります。
みかんなどの柑橘類を多く摂取すると手の平などが黄疸っぽく変化するのは、このカロチンの作用によるものです。

また黄疸などによって、皮膚や眼球が黄色っぽくなるのはビリルビンが沈着した結果であります。

②と③は状態の変化に伴う現象であるのに対し、①はもともとの皮膚の色を決定する要素であると言えます。
つまり、正常な皮膚の色を決定している主要素はメラニン色素であります。

それに加え、皮膚そのものの厚さ、毛細血管の量といった要素が複雑にからみ合って皮膚の色が決まります。
 

メラニンの製造工場「メラノサイト」とは

 メラニン色素は、皮膚では表皮最下層の基底層において毛髪では毛母において生成されます。
生成するのはメラニン形成細胞であるメラノサイトです。
メラニン色素を生成するところから、単に色素細胞(しきそさいぼう)と呼ばれることもあります。

メラニン色素はたんぱく質の一種で、微細な顆粒状で、その生成過程はとても複雑です。
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メラニン色素のルーツは、アミノ酸の一種であるチロシンという物質です。
このチロシンにチロシナーゼという酸化酵素が働きかけ、ドーパという化合物に変化させます。
さらにチロシナーゼはドーパにも働きかけて、ドーパキノンという化合物に変化させるのであります。
ドーパキノンは化学的反応が高いため、酵素の力を借りることなく、次々と反応していきます。

ドーパクロム、インドールキノンへと変化してし、最後に酸化・重合し黒褐色のメラニン色素となります。
メラニン色素の顆粒状の直径は0.4~1.0μm(マイクロメートル)の微粒子です。

チロシンという出発物質がチロシナーゼという酵素の力を借り、反応を繰り返すことによってメラニン色素が生成されますが、
(近年はさらにチロシナーゼ関連たんぱく質が関与する事が判明しております。)
その生産工場ともいえるのがメラノサイトです。

メラニン色素には黒褐色の他に、別の色素を作る経路があります。

ドーパキノンからシステインの働きにより異なる反応を起こし、フェオメラニンを生成します。
フェオメラニンは黄色や赤い色の色素です。フェオメラニンと区別するため、通常の黒褐色メラニンをユウメラニンと呼んでます。
一般にメラニンと言われているのはユウメラニンとフェオメラニンとの混合体である事が多いです。

髪の色もメラニン色素の影響によるものですが、
ユウメラニンがまさっていれば、黒くなり、フェオメラニンの割合が高ければ、黄褐色となります。

欧米人に見られるような赤い髪やブロンドはフェオメラニンの働きによるものであります。imgres

なお、遺伝的にチロシナーゼの働きが不完全なためためにメラニンが合成されないのが「白子症」(先天症白皮症)です。

ちなみに、白子症の人は皮膚ガンになりやすいです。
メラニン色素がないと紫外線を防ぐことが出来ないためであります。
 

メラニン代謝の仕組みは

毎日生成されるメラニン色素は、顆粒状になっているメラノソーム内に次第にその量を増していきます。

ある一定量に達するとメラノソームは樹枝状に伸びているメラノサイトの突起を通して、周辺の表皮細胞に送りこまれます。

表皮細胞はメラノソームを内部に含有したまま角化に伴って皮膚の表面に向かって押し上げられ、

最終的には角片とともにアカとなって皮膚表面から剥がれ落ちていきます。

つまり体外へ排出されるわけです。この間も、メラニン色素は基底層において次々と生成されています。images

 
正常な皮膚の場合には、排出と生成のバランスが保たれており、

メラニン色素の排出・生成のサイクルをメラニン色素の代謝と呼びます。
メラニンの代謝には、皮表方向へ表皮細胞とともに押し上げられる他にメラノソームが真皮方向へ落ちていくものもあります。

表皮細胞に取り入れられなかったメラノソームは、真皮内に落下し、マクロファージに食べられてしまいます。
その後、血管やリンパ球を経由して体外へ排出されます。
ところが、皮膚になんらかの異常があると、真皮に落下したメラノソームが取り入れられたまま、担色(タンシキ)細胞となってとどまっていることもあります。
これは、メラニンの代謝がうまくいかなかった結果と言えます。

色素沈着とその手入れ方法

シミ(肝斑)の原因は

メラニン色素の生成と排出のアンバンスつまり、メラニン代謝のサイクルが崩れると、その結果として、メラニン色素が過剰に表皮内に蓄積されます。

こうしてできるのが「シミ」や「ソバカス」などで、これらをまとめて色素沈着と呼んでいます。images-1

シミの場合には、20歳代から60歳代までと年齢的には幅広く発生するのが特徴ですが、特に顕著なのが30代後半からで、一般的な平均として42歳前後です。

シミの代表である肝斑は褐色の色素斑です。
これは肝臓の表面に似ているからであります。

肝臓疾患のみが原因でなく、むしろホルモンのバランス異常が原因していることが多く、紫外線で悪化します。
シミはできる部位が狭い範囲に限られているのも、その特徴の一つです。

また身体の左右対称にできることも珍しくないですね。
出現部位は顔面が多く、額、頬、口の周りなどにできます。

色は淡褐色から濃茶褐色まで様々であり、痛み、痒みなどの自覚症状を全く伴わないので、シミができていることに気づかないこともしばしばありますね。

シミとホルモンの関係は

シミができる原因としては、月経や妊娠に深く関与している女性ホルモンである黄体ホルモンの分泌が上昇すること、

及び卵胞ホルモンとのバランスが崩れることが考えられます。
その結果、一時的にメラニン色素の生成が高まってしまいます。

このようにホルモンのバランスが崩れることが大きな要因であるので、妊娠時や閉経時に多くでき、妊娠時にできるシミを「妊娠性肝斑」と呼びます。
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シミの原因としてはその他、
脳下垂体中葉から分泌されるMSH
という色素細胞刺激ホルモンの量が増加し、
メラノサイトに直接働きかけ、
メラニン色素の生成を促進させるばかりでなく、
沈着をも高めるという推定もあります。

なお、ピルの服用を続けるとシミが増えたり濃くなるのもホルモンの影響です。
妊娠時にできたシミは分娩、授乳といった過程で消失していくことが多いです。

ホルモンの分泌が抑制され、正常な代謝サイクルに戻ると考えられ、また、閉経期におけるホルモンのアンバンスも、その後の卵巣機能の停止とともにおさまるので、閉経後にできたシミは消失することもしばしばあります。

しかし、皮膚の新陳代謝そのものが加齢により低下しているので、そのまま頬骨の上などにシミが残ってしまうケースもあります。
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つまり、メラニン代謝機能が正常に行われなくなったわけで、
シミはターンオーバーのサイクルの乱れとも密接な関係にあり、精神面で不安定な状態になるとシミができやすいとも言われてます。シミを気にしすぎたり、イライラが続くと、シミをいっそう悪化してしまいます。

ソバカス(雀卵斑)の原因は

ソバカスは遺伝的な素因で発生してくるもので、いわば生まれつきにあるもので、後天的にできるシミは全く異います。年齢的には5〜6歳の幼児期の早い時期からできるのが一般的です。

顔面のうちでも、頬部、肩、腕、手、背部に見られることが多い色素斑であり、
おおよそ米粒大までの不規則な形で、色は淡褐色です。
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成長するとともに増える傾向にあり、内分泌活動が盛んになる思春期において顕著となります。
その後は次第に色も薄くなり、形そのものも不明瞭になっていくこともあるが、個人差も大きく、いちがいには言い切れません。概して色が白く日焼けしやすい人に多く、黄色人種は白人よりも少ないです。

ソバカスは紫外線の影響で色が濃くなったりするので、春から夏は目立ち、秋から冬は薄くなる傾向があります。

炎症によりできるシミとは

紫外線や加齢、ホルモンバランスの乱れ以外にも色素沈着を起こす事があります。
化粧品、家庭用品、植物などによって皮膚炎を起こした結果、その部位に色素沈着をきたしてしまうのです。

皮膚の過剰防衛反応の1つと考えられ、
例えば、化粧品に含まれる香料やタール色素をアレルゲンとするアレルギー性接触性皮膚炎を起こし、
カブレやかゆみといった症状がおさまったのち、そこに色素沈着を起こしてしまったような事例も見られています。

機械的な刺激が比較的長い期間にわたり皮膚に加えられると色素沈着を起こすこともあります。
フェイスブラシやナイロン製のタオルなどで、美肌作り、シェイプアップを目的に強く擦りすぎて、
色素沈着の原因となる摩擦黒皮症もあります。

この他に、マッサージ器、合成繊維の下着、ネル製の寝巻きなど強い刺激が加えられると、
知らず知らずのうちに色素沈着となることさえあります。
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植物によるものでは、ウルシやギンナンなどにカブレた後に色素沈着が起こる事があります。
いずれも炎症症状が治まったあとに色素沈着をきたすことが特徴的です。このような炎症後の色素沈着は顔だけでなく、身体にできる肝斑とは区別されています。
 

色調で判る色素沈着の深さ

シミ、ソバカスの色調は淡褐色から黒褐色、あるいは紫褐色、青黒色と様々であります。
これはメラニン色素量、存在する位置(皮膚組織内での深浅)によって異なるからです。

一般に皮膚表面に近くなるほど褐色調が強まり、その量が増したり、集積度が高くなると黒褐色や黒色に近くなってくる傾向があります。
 淡褐色のシミ、ソバカスの場合は表皮の比較的浅いところにあり、その量も少ないということになります。

メラニン色素はふつう基底層に存在してますが、真皮層に入りこむことがあります。
紫色あるいは青みがかっているシミは、真皮に存在しているメラニン色素が原因です。

真皮のシミが青みがかかって見えるのは、光線の透明度の違いに起因します。
乳児の臀部に見られる蒙古班が青く見えることから青あざと言われるのは、
真皮層にメラニン色素が集中しているからです。

蒙古班は特に治療を要することはなく、成長とともに消失してしまうのが普通です。images-3

褐色調のシミ、ソバカスは表皮にあるメラニン色素が原因ですので、ターンオーバーによりやがて淡くしたり、消し去ることが可能です。しかしながら、真皮のメラニン色素が原因となる紫色調のシミの場合は、軽減あるいは治療は難しいです。真皮においては新陳代謝による排出も行われず、そのまま残ってしまうからです。

シミ・ソバカスの手入れは(美白化粧品の役割)

メラニン色素が過剰に生成されてできるのがシミ・ソバカスですが、
シミ・ソバカスに対する即効性のある特効薬はまだないと言われてます。
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しかし、シミやソバカスが増えたり濃くなったりすることは予防することは、専用化粧品の手入れによりかなり効果が期待できます。
それには1年中毎日気長に継続する必要があります。

①紫外線対策を万全にする

まずメラニン色素生成の促進因子となる紫外線をなるべく浴びないようにすることです。

外出や戸外でのスポーツをする際は紫外線予防効果のある化粧品を必ず使用します。
また、洗濯物を干したり、買い物に出たりなど、日常知らず知らずのうちに紫外線を浴びていると、シミは濃くなるので、気をつけなくてはいけないですね。

②皮膚の新陳代謝を高める

過剰にメラニン色素を含む角質細胞が長くとどまっていることは色素沈着の一因です。

正常に戻すためには、規則正しい生活、良質なたんぱく質の摂取は欠かせないです。
表皮内にあるメラニン色素の排出を促促進するために、適度なマッサージやパックによる手入れも効果的です。

③メラニン色素の還元をはかる

メラニン色素は酸化することによって生成されるので、表皮内にあるメラニン色素をもとに還元するようにすれば、その色を薄くすることができます。

④メラニン色素の生成を抑える

メラニン色素生成のための化学反応に大きな役割を果たしている酵素チロシナーゼの生成や活性を抑制する方法と、紫外線などの影響をメラノサイトに伝えてメラニン色素を作ることを命令する情報伝達物質をブロックする方法があります。
なお、メラノサイトに情報を送る伝達物質には、

・エンドセリン

・MHS(メラノサイト刺激ホルモン)

・NO(一酸化窒素)

・ヒスタミン

・活性酵素

などが確認されています。

③のメラニン色素還元に有効なのは、ビタミンC(化学名はアスコルビン酸)です。

ビタミンCにはメラニン色素生成の初期段階において、酸化を抑制するとともに、できたメラニン色素の色を薄くする還元作用があります。

また、プラセンタエキスにも同様の作用が確認されています。

現在、多くの美白化粧品にはビタミンC誘導体のアスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩など色々なビタミンC誘導体が使用されています。

ビタミンCは水に不安定で壊れやすく、また皮膚への浸透があまりよくないので、化粧品には使用されにくいです。
そこで誘導体が合成され、壊れやすいビタミンCを安定させ、皮膚にビタミンCが浸透しやすい形にします。
アスコルビン酸リン酸エステル(マグネシウム塩)が代表的なもので、生体内でビタミンCの働きをします。

④のメラニン色素の生成を抑える物質としては、チロシナーゼの働きを抑える美白成分と情報伝達物質の働きを抑える美白成分があります。

前者にはビタミンC及び誘導体、アルブチン、コウジ酸、エグラ酸、ルシノールなどがあり、後者にはカモミラET(カエツレエキス)、アルテアエキス(ビロウドアオイエキス)、カンゾウエキス(グラブリジン)、カンキョクエキスなどがあります。
このような薬剤でメラニン色素の過剰な生成をストップすることで、沈着しているメラニン色素は、新陳代謝によって垢となって剥がれ落ちるので、日焼けによるシミは薄くなりやがて消えることになります。

シミ、ソバカスの治療は

皮膚科医は外用薬と内服薬でシミ、ソバカスの処方をします。
外用薬に使用されるのは皮膚から吸収される形につくりかえられたビタミンC(脂溶性のアスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩やアスコルビン酸ジパルテミート)です。
効果は非常に穏やかで、毎日2〜3回塗り続けることにより3カ月ほど経つとシミが徐々に薄くなってきます。

しかし、ビタミンCの塗布をきちんと毎日続けても、海水浴へ行ったり、
戸外でスポーツして紫外線を多量に浴びると元に戻ってしまいます。

ビタミンDには、生成されてしまったメラニン色素の生成を阻害する作用や還元する作用はありますが、紫外線線防止効果はありません。

日焼け止めで紫外線対策をしっかりと行いましょう。
ビタミンCは内服薬でも補給します。
量的には1日あたり1000mg以上です。

レモンに換算すると50個を超えるビタミンCの量です。

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熱に弱く、水溶性で、壊れやすいビタミンCを効果的に摂取するには内服薬は優れています。
内服薬による効果も即効性のものないです。
効果がでてくるのは、外用薬と同じで、3カ月ほど経過してからです。

また、ビタミンCは体内に蓄積されることはなく、
一時的に大量に内服しても余剰分は体外に排出されてしまうので、
一定量を長期間にわたり服用しなくてはなりません。

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内服薬としては、他にもビタミンE、グルタチオン剤なども利用されます。
また、医師によってはビタミン注射を使うことも。特に最近注目される外用剤にレチノイン酸(ビタミンA酸)があります。外国では抗シワ剤やニキビの治療剤として使用されますが、
日本では販売されておらず、医師の責任のもとに肌の状態に合わせて濃度を調合します。

単独で使われることは少なく、ハイドロキノンなどの美白剤と併用されるのが
一般的です。こうした薬を使うと同時に、日常生活での注意を守る事もとても大切です。

紫外線をさけることがまず第一ですが、 精神的にも安定した生活を送ること、寝不足や過労も禁物です。
この他に、バランスのよい食事をとる事も心がけたいですね。
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シミに効果的な食品は

皮膚科医を受診するほどでないが、シミが気になる方は、
食品でビタミンCを摂取することが効果的です。
ビタミンCを多量に含む食品には、
イチゴ、レモン、オレンジ、みかん、柿などの果物のほかに、
トマト、きゅうり、大根、キャベツ、青菜類、いも類などの野菜や緑茶があり、

動物性のものには、レバー、牛乳があります。
ただし、ビタミンCは熱に弱く加熱調理してしまうと破壊されやすいので、調理に工夫が必要です。
その点、ジャガイモに含まれるビタミンCは熱に強く、摂取に適しています。

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ビタミンC摂取のためには果物や野菜がいいですが、
逆に阻害する要因としてニコチンがあります。
喫煙によりニコチンが体内に入ると、せっかく摂取したビタミンCが破壊されてしまいます。
タバコは白い肌の大敵と呼ばれるゆえんです。

ほかに、コーヒー、紅茶、緑茶の取りすぎは、メラニンを拡散させるのでシミなどに影響を与えます。
また、パン食より米飯のほうが肌を白くします。
というのは、メラニンの原料となるチロシンの含有量が少ないからです。

シミと黒皮症の見分け方

症状としては、シミの発現とはやや似ているものの、その原因が皮膚に接触する化学物質(主に化粧品)による色素沈着に女子顔面黒皮症があります。
この場合には、症状発現と同時に全ての化粧品の使用をやめ、皮膚科医の診察を受ける必要がありますね。

黒皮症の発現は緩やかで、何度かのカブレを繰り返します。
色素沈着としては明瞭になるまで、1年から2年かかることがあります。

カブレの原因に以下のものがあります。

・化粧品
・サクラソウなどの特定の植物
・ホルマリン・殺虫剤などの生活用品に含まれる化学物質

頻度的には化粧品による場合が最も多いと考えられます。
直接、しかも日常的に皮膚に塗布される機会が多いからです。

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しかし、化粧品を使用して全ての人がカブレを起こすわけではありません。
ごく一部の人たちにとって、感作するなんらかの物質が起因しています。
アレルギー体質と深い関係があります。

カブレというアレルギー反応が治るとやがておさまります。
そして、また起こるということを繰り返しているうちに黒皮症へと進んでいってしまいます。

シミと黒皮症には明らかに違いがあります。

①黒皮症には炎症症状がある

シミができても痛み、かゆみなどは全くないのに対して黒皮症の場合には皮膚のムズムズ感に始まり、
かゆみ、ヒリヒリするような痛みといった特有の炎症症状があります。
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化粧品の使用でかゆみを伴う場合は、まず化粧品使用の中止が前提となります。

②色調の違い

シミはメラニン色素が表皮の基底層にとどまっているため、
淡褐色から褐色です。
 これに対し、黒皮症の場合はメラニン色素が真皮内にも存在しているため、赤みを伴う黒褐色に近い色となります。

また、真皮内に入ったメラニン色素の深さによる光の透過度により青銅色となることもあります。

メラニン色素が真皮内に入ってしまうのは、
先行する炎症により基底層細胞が破壊されてしまったことに由来します。
外的刺激が加えられるとよりいっそう基底層の破壊が進行するので、

パック、マッサージなども避けなくていけません。

③発生部位の違い

シミの発生部位は頬部、額部、口唇周囲とほぼ決まっていますが、
黒皮症はカブレの生じた部位に出るので発生部位は特定できません。

マブタ、首の周囲にまでできることもあれば、顔全体に拡がることも。
原因によっては顔面ばかりでなく、手足や胸、背中に及ぶことさえあります。

女子顔面黒皮症は化粧品に使われていたある種の原料が原因であることが判明し、これが禁止されてからは発症が著しく減っています。

最近ではナイロンタオルなどで強く摩擦を繰り返しているうちにその部分の皮膚に起こる摩擦黒皮症という新しい黒皮症も現れています。

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太陽光線の種類

太陽からは様々な波長の光線が放射されています。
地上での光線は、その50%が可視光線、約5%が紫外線であり、残りが赤外線です。 images-4

①可視光線

肉眼で見えることができるのが可視光線で、いわゆる虹の7色に分けられます。
波長の長いほうから順に、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫です。
数値的には400〜760nmです。

nm(ナノメートル)は長さの単位で1ミリの100万分の1の長さです。
1um(ミリミクロン)と同じ長さです。
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最も波長が長い可視光線である「赤」の外側にあるのが赤外線、最も波長が短い可視光線の「紫」の外側にあるのが、紫外線です。

②赤外線

可視光線より波長が長い不可視光線です。
IRと略され、赤外線の波長は760nm以上です。
物体に吸収されると、分子運動を物理的に起こし、熱を発生させることから熱線ともよばれます。

太陽の日差しが温かいのはこのためです。
赤外線は組織の深部まで浸透して熱作用を発して皮膚の血液循環をよくするので、温熱療法として医療や美容に用いられています。また、生体組織に及ぼす作用はきわめて穏やかなので、ヘアドライヤー、こたつなど家電製品に多く取り入れられています。
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しかし、赤外線に当たって、皮膚の温度が上昇すると、紫外線による光化学反応が促進されます。
実験によると、モルモットに紫外線と赤外線の両方を当てると、紫外線のみよりも光老化が激しく起こるという結果が出ています。

③紫外線

可視光線より短い波長の不可視光線であります。
赤外線が物理的作用を及ぼすのに対し、紫外線は化学的な作用が著しいです。

このことから、化学線とも呼ばれます。
一般的にUVと略され、波長は400nm以下です。

紫外線の有用な作用として、殺菌消毒、ビタミンDの合成、血行や新陳代謝を活発にする、あるいは皮膚の抵抗力を高めるといったことが挙げられます。
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しかし、皮膚にとっては有害な面も多いです。

長時間繰り返し紫外線にさらされると、シミ・ソバカスなどの色素沈着を助長し、皮膚細胞を傷つけ老化を促す因子になります。さらに皮膚ガンへと発展するリスクもあります

紫外線の種類と作用は

ひと言で紫外線と呼んでいますが、その波長により作用が異なります。
波長の長いほうから順にA・B・Cと分類され、
それぞれUVA,UVB,UVCと呼びます。
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①UVC(短波長紫外線)

この3種の紫外線のうち、UVCは波長が280nm以下と短いため、
オゾン層を通過する過程で散乱あるいは吸収されます。
環境保全問題として、オゾン層の破壊も大きな問題です。

オゾン層が薄くなる、又はポッカリと穴が開いてオゾンホールができてしまうと、これまで地上にほとんど到達しなかったUVCが届くことになります。
紫外線は波長が短いほど有害作用が強いという性質があります。

3種類の紫外線のうちでは、UVCが最もその物理的作用が強いです。
具体的には細胞組織そのものを損傷することが挙げられます。
UVCをまともに浴びてしまうと、重度の火傷様症状をきたすと言われてます。

オゾンホールが見られる南極に近いチリ南部、北極に近いカナダ北部においては、UVCの到達によると思われる皮膚障害の事例がいくつか見られています。
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それゆえ、オゾンホールの破壊が大きな環境保全問題となっています。

通常、地上に届いているのは280~320nmのUVBと、320~400nmのUVAです。

②UVB(中波長紫外線)

UVBは3種の紫外線のうち真ん中の部分の波長があります。
UVBの一部は真皮に到達しますが、ほとんどは表皮にとどまります。
皮膚に対する刺激はUVAよりも大きく、細胞の遺伝子(DNA)を損傷する影響が大きく皮膚ガンの原因にもなります。長時間にわたってUVBを浴びた皮膚は赤くなったり、ごく微細な熱傷様症状を生じることがあります。

通常は稀ですが、時には熱射病と同様に脱水症状をきたすようなこともあります。
そこまで至らなくても皮膚表面に水泡が生じるようなことはしばしばあるので注意が必要です。

③UVA(長波長紫外線) 

UVAは紫外線の中でも最も波長が長いです。
表皮の最下層にある基底層から真皮に到達し、メラノサイトの活動を活発化させる作用を持っています。
その結果、周囲の角質細胞に大量のメラニン顆粒が送りこまれることになります。
皮膚の色を浅黒くする日焼けの要因となっているのが、このUVAです。

Aは波長が長いので、雲や窓ガラスも難なく通過します。

窓越しに陽に当たる部屋や車の中、また曇り空の時も、紫外線対策が必要です。

まとめると・・・

長々と長文を書いてしまいましたが、ニキビ・ニキビ後の色素沈着は「紫外線」の影響を1番受けます。
日頃から紫外線対策と体の中から吸収できるビタミンCを積極的に取っていきましょう。

美容鍼も真皮層にアプローチできますので、ニキビ跡の色素沈着にも有効です。
お肌のご相談お気軽にどうぞ〜
白山はりきゅう整骨院でしたー。

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